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   資料No.

倍速乾燥・高耐焼着性タイプ
(鋳鉄白色系水性塗型剤)


オカスーパーWF-60


1.はじめに

 近年、フラン造型等の自硬性鋳型に、ブッカケによる塗型作業が多用されるようになり、作業合理化への寄与が認められています。
一方で、その多くがアルコール性塗型剤の為、大きなブッカケ装置を用いる場合は、その安全性や、作業環境上の問題も指摘され始めました。当社では、このような状況を考慮して、従来の水性塗型剤と比較して、倍速で乾燥する塗型剤「オカスーパーWF60」を開発致しました。
 ここに、その優れた特徴と具体的な使用事例をご報告申し上げます。

2.特徴

 2-1.優れた耐焼着性

 新しいバインダーシステムの開発により、適度な浸透層と、極めて緻密な塗型層が厚く形成される為、優れた耐焼着性能を発揮します。仕上げ時間の低減や製品外観の向上が期待できると共に、二度塗りしている場合は下塗り塗型の省略等もご検討下さい。

 2-2.最も速い乾燥速度

 過度の浸透がなく、塗布時の水分含有率が低いと共に、水との親和性が低い材料で構成されている為、今までの塗型剤の中で最も速く乾燥します。乾燥時間の短縮や、乾燥器の設定温度低下等が期待できます。

図1.自然乾燥時の残留水分と塗膜状態
図1.自然乾燥時の残留水分と塗膜状態
供試鋳型:フランTP(5号再生砂) 
塗布方法:ディッピング 3秒    
乾燥条件:自然放置(25℃,50%)

3.塗布方法

 作業効率を考慮して、主型にはブッカケ、中子にはドブ漬けが主に採用されています。
 ブッカケ時及びドブ漬け後、引き上げ時、塗型剤は勢い良く鋳型表面を流れ落ちますので、塗布後は塗型溜まりが発生しない位置で、しぱらく鋳型を静止させた後、必要に応じてハケ等で修正して下さい。

 この独特の流動性により、鋳型上へ緻密な塗型層が厚く形成され、優れた耐焼着性能を発揮します。

写真1.ブッカケ作業
写真1.ブッカケ作業
(ユニットケース,下型)
写真2.ドブ漬け作業
写真2.ドブ漬け作業(工作機,中子)

4.乾燥方法

 塗型の乾燥時間は、条件によって著しく異なってきます。
平均的な外気条件(20℃,60%)における、比較的単純な鋳型の乾燥時間測定例を表1に示します。

表1.塗型乾燥時間測定例
乾燥方法 乾燥条件 乾燥時間 備考
自然乾燥 温度:20℃
湿度:60%
約3時間 複雑形状では、空気の移動が少ない部分が乾燥し難い。
送風乾燥 扇風機
風量:60m3/分
40分 梅雨時は、2時間送風してもぽとんど乾かない。
熱風乾燥 LPG:5万kcal/分
風量:60m3/分
3〜5分 弊杜熟風乾燥機(高風量タイプ)
複雑形状でも10分程度で乾燥。
バーナー バーナー 3分 単純な形状に適す。複雑形状は困難。
乾燥に作業者がつきっきりになる。
測定条件:比較的風通しの良い鋳物工場内。(5月中旬,20℃,60%)
単純な凹形のフラン主型。(約1,000X約1,000)
オカスーパーWF−60(52ボーメ),ブッカケ塗布。

  一般的に、比較的小さな鋳型には乾燥室が、大きな鋳型にはバーナーが主に使われています。
 但し、バーナー乾燥の場合、1カ所を急熱せずに全体的に熱が加わるようにする必要がある為、溝が深い形状等の鋳型にはお勧めできません。 時間的に余裕のある場合は、一昼夜自然乾燥を行い、“かぷせ”前にバーナー乾燥が行われています。

写真3.自然乾燥中
写真3.自然乾燥中(工作機の中子,500 x 800 x 2,000)

 フラン鋳型に用いられる代表的な塗型乾燥室を、図2に示します。
 ローラーコンベアまたはレール上の台車に(ベニア等を敷いて)鋳型を乗せて、乾燥室内に2〜3枠(台)入れられます。
 熱源は電気・ガス・灯油・重油が用いられ、主に上部より熱風が導入されますが、中子の場合は下部・側部から導入する場合もあります。
  室内温度は100〜200℃、保持時間は30分〜1時間が一般的です。
  尚、乾燥設備を検討される場合は、当社熱風乾燥機(ガス式:5万kcal/h, 送風機:5.5kW)の貸与も可能ですので、充分試験を行った上で、御社に適した設備をご検討下さい。

図2.代表的な塗型乾燥室
図2.代表的な塗型乾燥室(トンネル式)
写真4.トンネル式乾燥室例
写真4.トンネル式乾燥室例(1,500 x 1,600 x 3,000)
熱風発生機(ヒーター45kW+送風機2.2kW)より、
熱風を側面2カ所から乾燥室に導入。
室内温度:約100℃ 乾燥時間:約1時間

5.適用製品例

 フラン造型では特に手込めの場合に、砂の充填が不充分な場合が多く、 コーナー部等にしばしば焼着が発生します。
「オカスーバーWF60」は、極めて緻密な塗膜を鋳型上に形成することにより、そのような焼着の防止・低減も期待できます。

写真5.バルブケース
写真5.バルブケース(FC300、1,900kg)
写真6.工作機コラム
写真6.工作機コラム(FC300、2,200kg)

6.各社採用例

表2.オカスーパーWF60採用例
会社 対象鋳物,重量 造型法 塗布・乾燥方法 評価
A社 水道管(FCD)
100〜200kg
アルカリフェノール ブッカケ、ハケ塗り
自然乾燥、50ボーメ
色彩良好。
乾燥速度が従来に比べ速い。
B社 工作機(FC)
1,000〜10,000kg
フラン ドブ漬け、53ボーメ
バッチ式乾燥器
中子に適用し、耐焼着性良好。
C社 産業機械部品 フラン ブッカケ、55ボーメ
自然+バーナー
従来に比べ白残り(軽微な焼着)が減少。
乾燥も速い。
D社 工作機、FC300
5,000kg
フラン ハケ塗り、50ボーメ 乾燥が速い。
E社 工作機、FC250
2,000〜5,000kg
フラン ブッカケ、52ボーメ
自然+バーナー
コーナー部の焼着が低減。

 中子の形状によっては、乾燥時の鋳型下部が溶湯接触面の場合があります。
写真7の中子は、スポンジ敷きのバレット上で自然乾燥後、アルコール塗型で補修。

写真7.中子納め
写真7.中子納め
(工作機べース,FC300、24,000kg)
写真8.主型
写真8.主型
(工作機ベース,FC300、6,200kg)

7.製品仕様

性状 赤褐色、ペースト状
適用 材質:普通鋳鉄、ダクタイル鋳鉄等
鋳型:有機自硬性鋳型等
塗布:ブッカケ、ドブ漬け、ハケ塗リ
成分 アルミナシリケート、黒鉛、酸化鉄、他
  固定炭素:14.8%
揮 発 分: 3.5%
そ の 他:81.7%
固形分:62%

溶剤分:38%
粒度
μm +75 〜45 〜25 −25
2.1 4.4 12.4 81.1
稀釈 本品1kgに、水0.05〜0.15kgを加えて、十分攪拌して下さい。
50〜54ボーメ(ブッカケ、ドブ漬け、ハケ塗リ)。
特に耐焼着性を期待する場合は、ドラム濃度(約58ボーメ)でご使用下さい。
包装 25kgロイヤル缶入り、250kgドラム缶入り

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